投げる動作は早いうちから経験すべき?

キッズ総合スポーツスクールでは、幼児期に成長する「神経系」を伸ばすための運動メニューを提供しています。

今月は、「投げる」動作にフォーカスして取り組みました。

投げる動作の重要性

投げることで、以下のような能力が養われます。

  • 協調性:体のバランスを取り、機敏に動く力
  • 巧緻性:手足を巧みに動かす力
  • 空間認知能力:動く物体のスピードや距離を把握する力

投げる動作は一見簡単に思えますが、片足で立つバランスや上半身のひねりが必要な複雑な動作です。

したがって、投げる力が身につくと、跳び箱を跳ぶなど小学校の体育で行う動作に必要な運動能力の発達にもつながります。

また、投げる運動を経験している子は、身体を動かす能力が上がるだけでなく、空間認知力の向上も期待されます。

このような能力は、たとえば自動車や自転車が近づいてくるスピードの把握にも役立ちます。

つまり、スポーツだけでなく、普段の生活の中で交通事故から身を守ることにもつながるのです。

投げる動作の発達段階

下の図は、3・4歳ごろから5・6歳において、投げる動きが上手になっていく過程を示しているものです。

幼児期において、上体のひねり、足のステップ、投げる準備動作としての腕の引き、フォロースルーなどが見られるようになり、投げ方が質的に改善されていくことがわかります。

「投げる動作」の動作発達段階の特徴
(幼児期運動指針より)

しかし、小学生になっても、投げる時にボールを持つ手と同じ側の足を出してしまったり、うまく振りかぶれない子を見たことはありませんか?

何故そのようになってしまうのかというと、小学生になる前に投げる機会をあまり経験しなかったことが原因にあるのです。

投げる機会が減っている背景

投球運動の発達には、未就学期からボールに触れる経験が大切です。

しかし、現代では、投げる機会が減少しており、その要因には次のようなものがあります。

  • 知育主義の広まりや室内遊びの増加(例:ゲーム)
  • 外遊びの減少
  • 空き地や生活道路などの遊び場の減少
  • 少子化による遊び仲間の減少
  • 異年齢の子どもたちの交流の減少
  • 親子での運動(例:キャッチボール)の減少

投げる遊びが成長をサポート

スクールでは、青と赤のマーカーを前に置き、「あーお、あーお、あか!」の掛け声に合わせてマーカーを踏んで投げる練習をしています。

これにより、足を前に出すということを覚えます。

また、かけ声の間にボールを頭のそばにおき、「振りかぶる:という動作ができるようになります。

この方法で、自然とパターン5の動作が身についてきます。

おうちでは、お父さんやお母さんも投げる姿を見せて、一緒に楽しむのがおすすめです。

未就学児は「楽しい」と感じることから学び、そうでなければ上達しません。

ボール投げを「楽しい!」と感じてもらうことが重要です。

まとめ

幼少期に「投げる」動作を通じて得られる運動体験は、将来の運動能力や空間認知力の発達に大きく影響します。

現代では投げる機会が減りつつありますが、遊びや運動を通して楽しく体を動かし、自然と身につけていく環境が大切です。

キッズ総合スポーツスクールでは、これからも子どもたちがのびのびと体を動かしながら、健やかな成長をサポートしていきます。

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