なぜ、この”育成スクール”を作ったのか|アンビションフットサルスクール誕生の裏側

こんにちは、インボルブ花巻の泉山将馬です。

いつも子ども達の挑戦を温かく応援してくださり、本当にありがとうございます。

今年スタートした「アンビションフットサルスクール」。
1期生の子どもたちは、毎回のトレーニングで驚くほどの変化を見せてくれています。

そもそも僕がこのスクールを立ち上げると決めたのは、
”もっと一人ひとりの課題に寄り添える場所が必要だ”
と強く感じたからです。

「今の子ども達に必要な育成って何だろう?」
「どうすれば目標や個性に合わせてサポートできるのだろう?」

そんな問いから始まった、このスクール誕生の背景を少しお話しさせてください。

原点にあるのは、かつて“ピッチで消えていた自分” への後悔

僕は昔、試合中に「どう動けばいいのか」が分からない選手でした。

言われた通りに動くだけで、自分の判断には自信がなく、
ボールが来ても、ピッチの上で自分が消えてしまうような感覚がありました。

そんな僕を大きく変えてくれたのは、
「プレーの原理原則」を学んだことです。

・なぜその動きをするのか?
・どうすれば味方を活かせるのか?

「理由」が分かった瞬間、世界が変わりました。

初めて、自分のプレーに自信が持てたんです。

サッカーが嫌いになりかけた学生時代

小さい頃から大好きだったサッカー。
でも、中学・高校では苦しくて、
「もうサッカーなんて嫌だ」と思った時期もありました。

今ではほとんど見なくなりましたが、
当時は指導者の怒鳴り声や圧力が日常でした。

人格を否定されたように感じることもあり、
プレーするのが怖くて、楽しいはずのサッカーが辛かった。

もちろん、その環境で得たものもありました。
我慢強さ、体力、タフさ…走り込みは異常に多かったですが(笑)

でも、今振り返って強く思うのは、

「伝え方が違えば、もっと良い成長の仕方ができたのに」

ということです。

指導者の“言葉”は、選手の心にダイレクトに届く。
その大切さを痛感しました。

教える立場になって初めて気づけたこと

選手としては全国大会を経験しましたが、決してスター選手ではありません。

でも指導者としては全国の頂点を経験し、
フットサルでは東北リーグ1部で選手兼監督もしています。

サッカーとフットサルの両方を経験したことで、
「考える力を伸ばす指導」がどれだけ重要かを強く感じてきました。

ただ、現場を見ていると今でも、

・昔の“根性論”で怒鳴りつける指導
・理由を説明せず「できない」と叱る指導

が残っています。

僕としては、
「なんでできないんだ!」じゃなくて
「なんでできないかを説明しないんだ!」
という気持ちです(笑)

大学時代、人生を変えた指導者との出会い

そんな僕の価値観を180度変えてくれたのが、大学時代の指導者でした。

サッカーは頭で考えてやるスポーツだぞ
その一言で世界が一気に広がりました。

原理原則を理解することで、
曖昧だったプレーが一つひとつ“意味を持つ”ようになったんです。

その瞬間、心から思いました。

「もっと早くこの考え方を知っていれば…」

この後悔が、今の指導の原点です。

同じ思いを子どもたちに味わわせたくない

だからこそ僕は、
「言われた通りに動く選手」ではなく、
「自分で判断してプレーできる選手」
を育てたいと思っています。

試合中に、

・何を見て
・どう判断して
・どこに動いて
・どうプレーするのか

この”考える力”が身についていないと、必ずどこかで伸び悩みます。

特に今の育成環境は「勝利至上主義」が強く、
「実行」ばかりが評価されがちです。

足が速い、ドリブルが上手い、フィジカルが強い。

もちろんそれも大事ですが、
本当に伸び続けるのは「考えられる選手」なんです。

子どもたちが変わっていく姿を見て確信したこと

アンビションフットサルスクールを始めてから、
僕はたくさんの“成長の瞬間”を見てきました。

スペースの取り方が分かった瞬間に、
急に視野が広くなった子。

「何を見ればいいか」を理解して
プレー判断が劇的に速くなった子。

普段は控えめでも“理由”が腑に落ちた途端、
堂々とプレーし始める子。

保護者の方から、
「息子が先日練習した事を意識してプレイしているのがハッキリと分かりました!」
と言っていただくことも。

こうした変化を目の前で見続けるうちに、
口コミが広がり、いつの間にか募集枠が埋まっていました。

「考えてプレーしたい」
「所属チームでは学べない部分を補いたい」
そんな方が自然と集まってきたのだと思います。

この場所で伝えたいこと

僕が大切にしているのは、
サッカーで結果を出すこと以上に、

「自分で考えて決断し、主体的に行動できる人になること」

です。

それができる子は、
たとえサッカー選手にならなくても、どんな場所でも強く、魅力的に生きていけることでしょう。

だからこのスクールでは、
ただ技術を磨くだけでなく、
“考えるサッカー”
を徹底して伝えています。

僕が「もっと早く知りたかった」と感じたことを、
今度は僕が“早く届けられる側”として伝えていきたい。

ここで学んだ子どもたちが、
「このスクールに通って良かった」
と心から思える未来を、これからもつくっていきます。